誰かの遺書に触れて、「墓場まで持っていくこと」を笑い話に変えたいと願った。

5月 3rd, 2009

何も言えず、音信不通になったり、生き別れたり死に別れたりするのも人生かもしれない。遺書って何故残すのだろう。
父の詫び状 <新装版> (文春文庫)
父の詫び状 <新装版> (文春文庫)” border=”0″ /></a><br />
</p>
<blockquote><p><p>1975年(昭和50年)、乳癌の手術を受けたころから癌そのもののほか、輸血による肝炎と右腕が動かなくなる術後の後遺症と闘うこととなる。妹の和子の著書に詳しい。<br />
<a href=向田邦子 – Wikipedia

向田邦子は、1952年(昭和27年)から市川三郎のもとで脚本の書き方を学び、1960年ごろから脚本家としてテレビドラマのシナリオを中心に執筆活動をはじめた。「時間ですよ」などヒット作品を数多く生み出し、1970年代を代表する人気脚本家として華々しい活躍を続けていたが、1975年(昭和50年)、乳癌が発見され入院。幸い初期段階であったため、手術は無事に成功し、翌年には退院した。しかし手術時の輸血が原因で肝炎を発症したために施された絶対安静措置が手術創の拘縮を助長し、右腕が利かなくなる後遺症が残っていた。
そんな折り、当時文藝春秋の相談役であった車谷弘から都市情報誌「銀座百点」への随筆連載を打診される。向田は自分をためしてみるため、左手で執筆することを思い立ち、連載の依頼を快諾した。
父の詫び状 – Wikipedia

上記書籍は遺書ではないけれど、自分の死の気配と向き合って書かれた作品だと思う。真似しようがないけれど、書き残すならこういう文章がいいなぁ。
◇ ◇ ◇
はてな匿名ダイアリーで遺書らしき文章を見ました。遺書自体は削除されていて、他の匿名氏さんがアーカイブを残していました。自分の家族に宛ててローカル環境で書き残すのではなく、匿名ダイアリーに書くというのはどういう心境なのだろう。「悔しい!」って誰かに知って欲しいのかな。誰かに覚えていて欲しいのだろうか。
ローカル環境で遺書は残したのだろうか。できたら、死なずに済んでくれるといいんだけれど。
もし私の家族が、匿名ダイアリーにだけ遺書を残してこの世を去ったら、自責の念にかられると思います。ローカル環境に、自分宛の遺書があったら気持ちが慰められるかは分からないけれど、遺品の整理をしていてログインした形跡から匿名ダイアリーの遺書に気がついたら、やりきれないだろうと思うのです。
残される立場だとすると、何も言わずに死なれるのは辛いです。何か言葉を残してくれたら嬉しい。でも、自分が死ぬ際に、きちんと遺書を残せるか自信がありません。やってきたことがそのまま遺書代わりになって、私を記憶してもらえるかもしれないけれど、なかなかそう上手くいかないかもしれない。
もし遺書を書くなら、心身ともに健康な時に書いておきたい。恨み言とかは墓場に持っていくことにして、「嬉しかった」「楽しかった」「ありがとう」といったことを中心に書きたい。気持ちを押し殺して嘘を書くのではなくて、書けることだけ書いて、書かないことを残すという書き方で、大切な人宛の最後の手紙を書きたいです。
でも、そんな書き方だと、「見て欲しい自分」を書くだけで、上辺だけの遺書になってしまうのでしょうか。私は、生々しいものを吐き出したところで、あまり意味がないように思っています。その一方で、人を見送る立場を想像すれば、無言で去らないで欲しいし、吐き出したいものは吐き出して欲しいし、できたら遺書を書いて気持ちを聞かせて欲しいし、もっと言えば、死ななくて済むなら寿命が来るまで生きていて欲しいのです。意味がないと言いつつ、遠慮せずに話してくれればいいのにと願ってしまうのです。矛盾していますね。
私があと何十年生きるのか分からないけれど、「墓場に持っていくこと」を一つでも笑い話に変えて、自分の大切な人に伝え、遺書に「書けない」ことを一つでも減らせるように生きてみたいです。

書誌

父の詫び状 <新装版> (文春文庫)
向田 邦子

4167277212
文藝春秋 2005-08-03
売り上げランキング : 3456
おすすめ平均 star
Amazonで詳しく見る
by G-Tools


カテゴリー: 思ったこと

コメントをどうぞ

add to hatena hatena.comment (0) add to del.icio.us (0) add to livedoor.clip (0) add to Yahoo!Bookmark (0) Total: 0

この記事の TrackBack URL : http://hrkt0115311.org/2009/05/0030.html/trackback?_wpnonce=df120f7c66

Feed

http://hrkt0115311.org / 誰かの遺書に触れて、「墓場まで持っていくこと」を笑い話に変えたいと願った。