諦めることの難しさと、現代的なストレスの関係と、「撤退」について。

1月 14th, 2008



id:finalventさんの、コメント欄で印象深いやりとりがなされていました。エントリ一つ分に匹敵するくらいのコメントの量に圧倒されました。人様のコメント欄を引用するのも恐縮なのですが、引用させていただきます。



ただ、感触として思うのは、昔の人は、といっても全共闘世代より上の世代、つまり、昭和20年代以前に生まれた人は、自分の「分(ぶん)」というものに諦観を持っていたと思います。家柄が低い、才能がない、容姿が優れない、そういうものにさっさと見切りを付けていましたし、いわゆる世間的な成功というのも早々に捨てていました。かく言う自分も25歳すぎて恋愛沙汰をするのは下品な人達だなと思っていたくらいです。この分相応の諦観はある意味、現代的なストレスを減らす部分はあるかと思います。というようなことを言うと、はてな利用者のような若い世代の人に嫌がられたり、「老害」タグを付けられそうですが。まあ、そんな感じです。分相応の諦観を持ちなさいとアドバイスするわけではなく、昔の世界はそれだけ前提的な圧迫感は強いものでした。で、結局現代の人のストレスはどうするかなのですが、かつての諦観とは違った諦観のようなものはあってもいいのかもしれません。



http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20080114 左記日付のコメント欄↓

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/comment?date=20080114#c 左記より引用



私は上記のような話を聞いても、「老害」タグを付けたい気持ちにはなりません。1945年以前に生まれた方が、どんなお気持ちで「見切りを付けた」のかは分からないですが、「こういう状況があったよ」と現在との比較対象を具体的に挙げられており、参考になりました。



1945年頃もラジオや書籍はあったわけですから、少し私の発言はズレているかもしれないのですが、テレビが普及し、人によっては映画も映画館まで行かなくても*1自宅で楽しめるようになり、かつては国際電話かエアメールでやり取りしていたことも、今ではメールやIP電話等で格安で行えるようになり、インターネットによって「知らなかった知りたいこと」に手軽に辿りつけたり、自分とは異なる考え方をする方の発言に接する機会が得やすくなるなどして、「繋がってしまった・見てしまった・知ってしまった」ために、なかなか諦められず、「まだ行ける、もうすこし頑張れる」と歩き続けるうちに、人生を踏み抜いてしまうのかなと想像しました。成功体験も日々書籍化されて店頭に並ぶ気がしますし。



現在を生きる私達が、もしかしたら「分」を意識しづらくなったかもしれないのは、「分」に諦観を持った世代が自分たちを反面教師にして、次の世代に夢を託してくれた結果かもしれません。あるいは、知らなければ諦められたことも、知ってしまったために諦められないのかもしれません。世代により価値観が異なるのは当然のことでしょうし、原因を辿るのも興味深いですが、「諦めきれずに、頑張りすぎてしまう」ことで困っている方がいるのだとしたら、「どこかで線を引くこと(諦めること)」を学ぶ必要があるかもしれないですね。いずれにせよ、ストレスに対する一つの方法として「諦める」という道があるよ、というのは大きなヒントだろうなと感じました。



話は飛躍するのですが、「お金の教育」が子ども時代から必要ではないか? という提案をときどき目にするのですが、もしかしたら今の子どもたちには「夢は叶うよ」とだけ教えるよりも、「夢を目指す際の、安全な撤退の仕方」も伝える必要があるのかなと感じました。でもそんなこと先生が子どもたちに向かって話したら、保護者から叱られてしまうかもしれないので、教室の外で、例えば『13歳のハローワーク』みたいな形で伝えられるといいかもしれないなぁと思いました。



おそらく、攻めることよりも、撤退することは難しいですから。



13歳のハローワーク

13歳のハローワーク

  • 作者: 村上龍
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2003/12/02
  • メディア: 大型本


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*1:もっと言えば、DVDさえ借りてこなくても


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